大判例

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前橋家庭裁判所 記載ナシ 決定

少年 F子(昭二〇・一・三〇生)

主文

少年を前橋保護観察所の保護観察に付する。

理由

(虞犯事実)

少年は昭和三十二年四月沼田市立○○中学校一年に入学したのであるが、両親が学用品等を買い与えない等子供の教育に対して全然理解が無いこと等のため、少年も勉学の意欲を欠き学校に行くのを嫌がり怠学して同市内等を徘徊徒遊し、夜遊び、不純異性交遊等を続けるに至つたので昭和三十四年一月十三日少年教護院たる群馬学院(前橋市所在)に収容せられたのであるが同年十一月十六日頃右学院を無断外出し五日間位肩書居宅に帰宅していたこともあつたが同年十二月三十日右学院が正式に休暇を与えて帰郷せしめて以来期限が到来しても右の学院には帰来せず沼田市内附近において近隣に居住している問題少年S子(当時十四才)等と夜間遅く迄同市の盛り場附近を徘徊しており、同三十五年一月七日正午頃から右S子と共に無断家を出て同夜遅くまで同市内を徘徊した挙句同日午後十時頃同市内沼田郵便局附近においてたまたま出会つた○野○夫と自称する二十一才位の男性に誘われるままに同市○○町○○○○番地○○屋旅館に投宿する等の行動をしており、保護者の正当な監督に服従せず、その性格および環境に照らして将来罪を犯し又は刑罰法令に触れる行為を反覆する虞が極めて多大である。

(法令の適用)

少年法第三条第一項各号、同法第二十四条第一項第一号。

(処分の理由)

少年の家庭を見るに、実父○○和○(五十才)は古物商として月収五千円乃至七千円を得ることが出来るのであるが生来飲酒を好み昭和二十九年頃酔余他人に暴行を受けて以来健康状態が思わしくなく夜間幻覚発作を起こすこともあり充分稼働出来ない。実母○ね(五十才)は少年の妹二人を抱えて家事に従事しているが少年の指導保護に熱意少なく少年が家出して帰宅しないでも余り気にとめていない模様あり。

少年は既に数名の異性と性的交渉を持つたこともある様子でその家庭が前記の如き状態であるから経済的に相当苦しい家計であるにも拘らず口紅をつけたり眉に化粧したりすることを好む傾向あり、従つてその虞犯性は前記の如く多大である。しかしながら近時右実母等の努力により沼田市○○町○○○○番地所在の沼田○○○○工業株式会社に住込工員として稼働するに至つた事実もあるので保護司ならびに地域社会の協力を得るならばこれが善導保護は不可能でないと思料する。

それ故諸般の事情を考慮し主支の如く裁決する。

(裁判官 藤本孝夫)

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